パネルディスカッション「日本のモータースポーツを考える」
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モータースポーツとクルマ社会
レースが社会に与える影響
白熱したディスカッションは、モータースポーツとクルマ社会の関係性にまで話題が発展。「各メーカーの技術には、レースによって得られたものも多々ある」という小倉(智)氏の意見を皮切りに、「今後、環境対策の実験工場としてのリーダーシップを、モータースポーツが取っていく必要性がある」という八代氏らが、今後の方向性について提案を行なった。
また、日本の自動車メーカーがレースから撤退しつつある現状については、木下氏が「雇用などの問題もあるが、技術的にも文化的にも、撤退が将来に与えるマイナス影響はかなり大きいだろう」と警鐘を鳴らした。小倉(茂)氏は「技術者が着実な結果を求められるレースの現場で勉強することで、彼らの技術力が伸びる。レースは、人材育成の場ともなり得る」と、モータースポーツの必要性を主張。田中氏も、「人間は向上、技術は革新していくもの。レースの現場で新しいモノが生み出されることで、私たち(が日常で使うクルマ)にも反映されていくはず」と、モータースポーツを続けていくべきという見解を示した。
モータースポーツはスポーツか?
日本のモータースポーツに対して
環境問題と運営費用について さらに議論は、日本人の若者たちのクルマ離れや、日本のレースの在り方をはじめ、さまざまな内容に発展。木下氏は若者のクルマ離れに関して、「観るスポーツとしては成熟していても、(レースどころか普通のドライブでさえ)走ることはおろそかになっている。我々が若者を引き入れて、運転の楽しさを教えてあげなければならない」と、問題点の一部を指摘。八代氏は、「日本は、輸出はもちろん、実は輸入も多くするクルマ大国なのに、モータースポーツの世界では地位が低い。今後、草の根または地域密着型のモータースポーツのようなものを、日本の中から海外に向けて発信していく手もあるのではないか」と提案を行い、話題はとぎれることがなかった。
最後は小倉(智)氏が、「日本を代表する産業のクルマ。この礎を築いていくのには、モータースポーツが必要だと私は感じていますが、みなさんはどうお考えでしょうか?」と、このディスカッションをまとめた。
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