白熱したディスカッションは、モータースポーツとクルマ社会の関係性にまで話題が発展。「各メーカーの技術には、レースによって得られたものも多々ある」という小倉(智)氏の意見を皮切りに、「今後、環境対策の実験工場としてのリーダーシップを、モータースポーツが取っていく必要性がある」という八代氏らが、今後の方向性について提案を行なった。
また、日本の自動車メーカーがレースから撤退しつつある現状については、木下氏が「雇用などの問題もあるが、技術的にも文化的にも、撤退が将来に与えるマイナス影響はかなり大きいだろう」と警鐘を鳴らした。小倉(茂)氏は「技術者が着実な結果を求められるレースの現場で勉強することで、彼らの技術力が伸びる。レースは、人材育成の場ともなり得る」と、モータースポーツの必要性を主張。田中氏も、「人間は向上、技術は革新していくもの。レースの現場で新しいモノが生み出されることで、私たち(が日常で使うクルマ)にも反映されていくはず」と、モータースポーツを続けていくべきという見解を示した。
|
 |