トヨタの森のフクロウ
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フクロウはトヨタの森の生態系ピラミッドの頂点 |
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哺乳類:ニホンイノシシ、アカネズミ、ムササビ、モグラなど5種 鳥 類:フクロウ、カワセミ、ブッポウソウ、アオゲラなど31種 両生類:アマガエル、トノサマガエル、シュレーゲルアオガエルなど4種 爬虫類:トカゲ、カナヘビ、ヤマカガシ、マムシの4種 昆虫類:キイトトンボ、コカマキリ、ハンミョウ、ジャコウアゲハなど41種 トヨタの森ではオオタカやサシバは繁殖していませんので、フクロウはトヨタの森の生態系ピラミッドの頂点に位置する動物です。 フ クロウが生息できるということは、その餌となるネズミ類やモグラ等の小型哺乳類、シジュウカラ等の小型鳥類、カエルやトカゲなどの両生爬虫類、ムカデ、カ ブトムシ等の大型の昆虫類などが生息できる環境があり、それらの動物の餌となる植物等も生育できる環境があるということです。 |
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トヨタの森での繁殖 |
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そこで、トヨタの森にフクロウ用の巣箱をかけたところ、それ以後神社に営巣していたつがいと同じかは分かりませんが、2004年から2008年までずっと繁殖していることが確認されています。 トヨタの森では繁殖用の巣箱に観察用のカメラを仕掛けることで、フクロウの繁殖の過程を記録することに成功しました。 トヨタの森では、フクロウは3月の上旬に産卵し、約30日後に孵化します。それからさらに30日ほどたって5月の上旬に巣立っていきます。 巣だったフクロウには発信器と標識(足環)がつけられました。その後巣だった雛の消息を追っていったところ、巣立って5ヶ月ほどたった10月には、トヨタの森から5kmほど離れた地域まで飛んでいったことが確認されました。 また、これまでにはトヨタの森周辺で生まれたフクロウが、静岡で確認されたという報告もあり※、かなり日本の広い範囲を移動していることが確認されています。 ※:西三河野鳥の会観測データより |
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フクロウのすむ森を目指して | ||||
1.フクロウの餌となる生き物がすめる環境があること 2.フクロウが餌を狩るための適度な空間があること 3.フクロウが繁殖できる樹洞等の環境があること この3番目の樹洞は、日本全国で減ってきています。そのため、フクロウがやむなく地上近くに卵を産み、ヘビやキツネなどに卵を食べられてしまうなどして、繁殖率が全国的に下がってきていると言われています。 トヨタの森でも、結局人工の巣箱をつけることで、フクロウの繁殖が始まりました。 今後里山の一つの機能として、フクロウのすむ森づくりを進めていくには、樹洞のできる大径木を育てていくなど、森の育成と、より多様な生物が棲息できる環境づくり、適度なフクロウの飛翔空間づくりのための森の手入れ等を続けていく必要があるでしょう。 |
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