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シデコブシってどんな植物? |
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シデコブシは、春先に白色やピンク色の大輪の花を咲かせる樹木です。周伊勢湾要素植物の一種で、世界中でも愛知県を中心として、岐阜県美濃地方、静岡県西部、三重県東部にしか生育していません。 シデコブシは、貧栄養な湧水に涵養される湿地に生育しています。
また、シデコブシは日当たりの良い環境を好みます。森林が放置されて遷移が進み、森が暗くなることも、シデコブシの生育を妨げる要因となってしまいます。
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シデコブシの谷の手入れ |
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 | [シデコブシの谷の場所] | ※クリックすると地図が大きくなります | シデコブシの谷は、上流域や尾根筋からの流水・湧水によって湿地になっており、約200本のシデコブシがあります。
 | [樹木の位置(1996年)] | 1996年に、シデコブシより背の高い樹木を半分程度伐採しました。その後も、日当たりと風通しを良くするために、常緑広葉樹(一年中葉が茂っている樹木)を中心に、高い樹木を抜き切りしています。
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シデコブシの谷 手入れの成果 |
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1996年の手入れによって、森の明るさ(照度)は、約10倍になりました。
それから約1年半後の1998年の春には、シデコブシは例年よりも多くの花を咲かせました。また、林床には、ミズギボウシやミズギク、トウカイコモウセンゴケなどの貧栄養湿地に特有の植物も増加しました。
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シデコブシの谷 手入れの課題 |
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 | [倒れたシデコブシの木] |
しかし、ここで生育しているシデコブシは、周辺の樹木と競合しながら育ったため、樹形のバランスが悪く、葉や花、実の量が増えるとバランスを崩して、根から倒れる樹木もみられました。(写真:2003年時) そこで、昔からの里山の管理手法を踏まえ、シデコブシは萌芽再生能力(伐採された株から再び幹を伸ばす力)の高い樹木なので、シデコブシ自体を伐採して若返りを図り、新たな萌芽を期待する、という管理保全方法を検討することとしました。
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