個人のお客様 簡易栽培マニュアル

簡易栽培マニュアル

「TM9」は芝刈りの回数を減らす目的で開発された省管理型の品種です。
栽培マニュアルを参考にしていただくことで、TM9の特長が生かされます。
品質レベル別の詳しい準備・管理方法については詳細栽培マニュアルをご参照下さい。

1芝張り

  1. 適期

    3月~4月が芝張りに適した季節です。

    5月以降に芝を張る場合は、水遣りを頻繁に行います。

  2. 除草

    芝を張る予定の場所に雑草がある場合には、雑草を取り除きます。

    雑草が残っている場合、芝を張った後の除草が困難になりますので、整地前に取り除きます。芝張りの直前に除草剤を使用する場合は、日本芝に適合した除草剤を使用します。

  3. 整地

    芝を張る前に地面をトンボやレーキなどで平らにします。

    排水桝の方向に向けて地面を低くするように勾配を付けるなど、水溜りができないように工夫します。土壌を耕して堆肥等を混入する場合には、耕した後に土を踏みしめながら平らにします。凸凹ができることが多いのでレーキ等で地面を平らにします。

  4. 芝張

    芝の張り方には、全面張り、目地張り、市松張りなどがあります。

    家庭園芸では雑草が出にくい全面張りをお勧めします。全面張りの場合でも、継ぎ目がレンガ模様になるように芝を並べます。苗と苗の間は、1cm程度の隙間を空けて、目土が入るようにします。

    地面を平らに調整し、苗をレンガ模様に並べます
  5. 目土

    苗の乾燥防止と根の発達を促進させるために、必ず目土をかけます。

    量は1当たり5~10リットルが目安です。バケツなどで量を測りながら、均一に撒きます。排水性を考慮して、芝専用の目土か土木用の洗い砂を使います。目土をまいた後は、トンボやホーキなどで均一に伸ばすように、目土を芝の間にすり込みます。目土が乾いた時に作業をすると簡単に目土が入り込みます。

    目土をかけて、すり込みます
  6. 水遣り

    目土が移動しない程度に、少量ずつたっぷりと水を与えます。

2養生

約2ヶ月間は、養生期間となります。天気の良い日が5日ぐらい続いた場合には、水を与えます。
根の根が張っていない間は、芝の苗が移動しないように静かに歩くようにします。

3芝刈り

TM9は刈込みの回数を減らす目的で開発されていますが、5~6月の出穂後(小さな穂ができます)には必ず刈込みを行います。種が実って、こぼれ種が発芽した場合には、草丈の高い個体が生じる場合があります。刈込みを行うことで、美しい状態を維持できます。芝刈り機は、2~3㎝の刈高に調整します。

穂が出そろったら、必ず芝刈りを行います

草丈の凸凹が気になる場合、草丈を短く維持したい場合には、季節に関わらず刈込みを行います。刈高は3cmを目安にします。刈りカスは回収して、芝生の上に残さないようにします。

4施肥

1~2ヶ月に1回を目安に肥料を散布します(4月~10月)。1回の施肥量は、20g/㎡(芝生用肥料、10:10:10の場合)を基本とします。
撒き方にムラがあると、葉色や生育がムラになりますので、均一になるように注意します。少量ずつ数回に分けて散布すると撒きムラが少なくなります。

肥料は均一に散布します

施肥の回数や量は土壌の状態によって異なりますが、標準的には年間60~80g/㎡(芝生用肥料)が必要となります。緑色が維持できる程度に最小限の肥料を与えることにより、刈込み回数を減らすことができます(出穂後の刈込みだけで、草丈を4~6cmに維持することが可能)。

5水遣り

晴天が続いた場合は、週に1回を目安にたっぷりと与えます(4月~10月)。
水不足になると、葉が針のように巻いて全体が黒ずんで見えます。早急に水遣りを行いますが、少量の水を長時間にわたって与えた方が、水が地中深くまで浸透するため効率的です。

6除草

雑草に覆われると芝生が傷んだり、種子が実ると雑草が増加したりするため、雑草が大きくなる前に根から抜き取ります。大型のピンセットや草取り器具を利用すると便利です。

できるだけ早く除草します

除草剤を使う場合は、必ずコウライシバに適合した除草剤を使用します。