TNGAでは、クルマの基本性能や商品力を向上させたうえで、全体最適を考えて賢い共用化を図り、クルマを賢くつくる取り組みを進めています。
トヨタの新しい「もっといいクルマづくり」では、クルマの内装や外装など、個々の車種でお客さまの嗜好に合わせてそれぞれ差別化する部分(黄色)と、プラットフォームやユニットなど、賢い共用化を図る基本部分(ピンク色)とに層別しています。いいモノをつくり、賢く共用化することで、個々の車両開発責任者であるチーフエンジニア(CE)をサポートしています。
グルーピング開発による賢い共用化を、ドライバー周辺を例にご説明します。 基本性能を向上させるアーキテクチャ(クルマづくりの設計思想)の策定にあたり、ドライバーにとって最適なドライビング・ポジションとは何か?という点を改めて追求し、「操作姿勢」や「座る姿勢」など6つの観点で最適なドライビング・ポジションを再定義しました。そのうえで、ヒップポイントの高さを基準に、5つの品揃えにまとめています。
このアーキテクチャに基づいて、ドライバー周辺のシート骨格やパッド、シフトレバーやペダル類などで、プラットフォームや車種をまたいで賢く共用化する、部品ごとの品揃えシナリオを策定しています。
クルマを賢くつくるTNGAの取り組みにより、従来比約20%以上の開発リソーセス削減効果を現在見込んでいます。この削減分を元手にさらなる商品力強化や、持続的成長のための先行技術開発など、「もっといいクルマづくり」に再投資していきます。
トヨタでは、クルマの基本性能を決める機能部品で、車種・プラットフォーム(車台)をまたいで新開発し、賢く共用化するものを「TNGA部品」と呼んでいます。TNGAによる賢い共用化によって、同一生産ライン内に複数のプラットフォームや、ユニットを追加して混流させることが可能となるため、需要変動へのよりフレキシブルな対応や、大幅な投資低減が実現できます。