コラム お役立ち情報

人工芝vs天然芝 メリット・デメリット

庭に芝を設置する際に、人工芝と天然芝で迷う人が多いようです。それぞれに特徴がありますので、選定の参考にしていただけると幸いです。

1設置場所

建物の北側などで日陰になる場所に、天然芝は向いていません(天然芝を楽しむためには、半日以上の直射日光が当たる場所が目安です)。日陰に芝を設定したい場合は、人工芝が便利です。

2景観性など

人工芝は季節を問わず、同じ色を維持できます。色合いや葉の長さなど、多様なタイプがあります。枯れた葉などが再現され、天然芝に似せたタイプがありますが、設置した全面が均一の状態となるため、天然芝との見分けは容易です。一度設置すると変更が難しいため、慎重な選定が必要です。
コウライシバなどの暖地型の天然芝は冬枯れし、地上部は茶色い状態となりますが、春の芽吹きなどを含め、自然な風合や季節を感じることができます。
天然芝の場合は、管理方法を変えることで、葉の長さ(草丈)、密度、色などを調整することができます。

3初期の材料費

安価な人工芝も販売されるようになり、1,000円/㎡以下で購入できる製品もありますが、耐久性や質感により、価格は大きく異なります。土の上に設置する場合は、人工芝の下に設置する下地材、防草シート、固定用のピンなどの費用が追加されます。
天然芝をホームセンターなどで購入する場合、500~2,000円/㎡で購入できます。土の上に設置するだけですが、目土などの追加費用が必要です。

4設置の手順

人工芝を土の上に設置する場合、天然芝と同様に事前の準備が必要となります。

  1. 雑草や石の除去

    • 平らになるように、取り除きます。小石などを含め、異物が残っている場合、設置後の除去は難しくなります。
  2. 整地

    • 排水する方向に向けて傾斜をつけるように、レーキなどで平らにします
    • 設置後の歩行により凸凹にならないように、足で踏みつけるなどで、固くします。
  3. 下地材を散布

    • 基盤の土の水はけが悪い場合は、水たまりができないように、砂などの下地材を入れる場合があります(ここまでの工程は天然芝とほぼ同様です)
  4. 防草シートの設置

    • 人工芝のシートには、排水用の小さい穴がありますので、穴から雑草が生えないように防草シートを設定し、ピンなどで固定します。
  5. 人工芝の設置

    • 人工芝のシートを広げて、ピンなどで固定します。
    • 場合によっては、人工芝の上に、薄く砂を散布します。

天然芝でも、ほぼ同様の手順となります(防草シートは不要です)。
芝張りの手順については、簡易栽培マニュアルをご参照ください。

5メンテナンス

人工芝の最大のメリットは、設置後のメンテナンスがほぼ不要になることです。枯葉や細かいゴミの除去など、簡単な掃除は必要です。細かいゴミや繊維状のゴミの除去が難しい場合があります。
天然芝の場合、芝刈り、施肥、除草などの管理が必要となります。芝刈り、施肥については、TM9を使用することで、回数や量を削減でき、省管理栽培では、暑い時期に芝刈りを行わなくても、景観性を維持することができます。
重量物を置いたり、バーベキューなどの熱で損傷したりした場合、人工芝では部分的に修理する必要がありますが、天然芝の場合は、育てることで回復させることができ、凸凹になった場合には目土を入れるなどで、補修は容易です。

6耐用年数(寿命)

人工芝の耐用年数は5~10年の記載が多いようです。樹脂製品のため、品質・環境・メンテナンスが悪いと、劣化が早くなる傾向があります。 天然芝の場合、毎年、新しい茎葉が発生して更新されるため、管理が良ければ、数十年の寿命となります。

7表面温度(地温)

人工芝のデメリットの一つは、夏に表面温度が高くなることです。真夏の日中の表面温度は、コンクリートなどと同様に50~70℃になるケースがあります。夏の砂浜と同様に、裸足で歩いたり、ペットを遊ばせたりするには、危険な温度となります。

天然芝の場合は、葉の表面から水が蒸発しているため、気温+数度の温度までしか上昇しません。水の蒸発による温度低下は、濡れている洗濯物が冷たいと感じる現象と同様です。表面温度が低いと、照り返しや赤外線の発生が少なく、涼しく感じます。社内の測定事例では、土のグランドと比較して、天然芝の表面温度は、約16℃低下していました。

8環境効果

人工芝は樹脂製品のため、製造する際に化石資源が使用されています。
天然芝は、大気中のCO2を吸収しながら成長します。庭の芝生では、茎や根が成長する速度より、分解される速度の方が遅いため、土壌有機物が増加することで、CO2を吸収します。

芝生の管理では、肥料由来の地球温暖化ガス(CO2、N2O)が発生しますが、TM9の場合には、使用する肥料の量を半減できるので、温暖化ガスの発生量が半減できます。

9まとめ

それぞれのメリットは、以下となります。

ご都合に合わせて選定いただけると幸いです。