コラム お役立ち情報

芝生の構造とダメージからの回復

コウライシバなどの日本型の芝生の植物体は、直立茎(茎葉)・匍匐茎・根から構成されています。芝生の構造や機能を理解することで、管理の参考にしていただけると幸いです。

1直立茎

直立茎は、茎と数枚の葉から構成されており、完成した芝生の地上部は、直立茎から生じた葉に覆われています。直立茎は匍匐茎の節から1~2本が発生し、芝刈りや踏圧などのダメージがあると、直立茎の基部や匍匐茎の節から新しい直立茎が発生します。
地上部の葉の光合成によりCO2が吸収され、生成された糖類のエネルギーは、新しい直立茎や匍匐茎、根の成長に使用されます。
秋になり気温が低下すると、糖類は匍匐茎にデンプンとして貯蔵されるようになり、貯蔵されたデンプンは、翌春の新芽のエネルギーとして使用されます。冬になると、葉の大部分は枯れますが、茎は葉鞘と呼ばれる葉の基部の筒の中で生きており、春になると芽が伸び始めます。秋の短日条件で茎の先端で形成された花芽は、春に出穂します。

2匍匐茎

匍匐茎は、地上と地下にあります。地上匍匐茎はストロンやランナーと呼ばれ、アントシアニンなどにより茎に色が付いています。地下匍匐茎は、ライゾームと呼ばれ、光が当たらないため、ベージュ系の色です。
どちらのタイプの匍匐茎でも「節」と呼ばれる場所から直立茎が生じます。TM9は、節と節の間隔(節間)が短いため、茎葉の密度が高いことが特徴です。
コウライシバやノシバは匍匐茎を伸ばすことで、生育するエリアを拡大しています(竹の地下茎に類似しています)。一部のエリアが枯れても、周辺の芝生からの匍匐茎で、回復させることができます。

3ダメージからの回復

芝生の成長が休止している期間に踏圧などのダメージがあると、新しい茎葉からの回復がないため、地上の直立茎・匍匐茎が消失することがあります。地下にある匍匐茎が残っていれば、春以降に節から直立茎が発生し、早めに回復させることができます。地下匍匐茎までダメージがあると、匍匐茎からの回復ができなくなるため、生き残った周辺から伸びる匍匐茎で覆われるのを待つ必要があります。ダメージからの早期の回復には地下匍匐茎が重要ですので、強い踏圧が予想される場所には、秋に目土を散布することで、地下匍匐茎を保護する方法があります。
春~秋の生育期間中に、乾燥や病害虫などにより一部のエリアが枯れてしまった場合は、地下や周辺の匍匐茎からの回復を待ちます。

4まとめ

乾燥や踏圧により部分的に芝が消失した場合でも、適切な管理を行うことで、地下や周辺から伸びる匍匐茎により回復させることができます。早めに回復させたい場合には、芝を育てる管理を行います。こちら(コラム 育てる管理と維持する管理の違い)をご参照ください。