育てる管理と維持する管理の違い
芝生の管理や手入れについて、複数の方法が紹介されており、迷うことがあります。こちらのコラムでは、芝生を育てることと、維持することを区別した管理方法を紹介します。

1管理方法の違い
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育てる管理
茎葉の密度が低下したり、葉の色が悪化したり、部分的に枯れた場合には、回復させる必要があるため、育てる管理を行います。芝生の利用頻度が高い庭や芝生広場などで、傷みやすい場合は、新しい茎葉で回復できるように管理を行います。ゴルフ場レベルに維持したい場合には、新しい葉が常に更新されるように、芝生を育てます。
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維持する管理
芝生の状態が目標のレベルになっている場合や上部の利用頻度が低い場合は、現状が維持できる程度の管理を行います。

2育てる管理の内容
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肥料の散布
芝生を健全に育てるためには、肥料の散布が最も重要な要素です。茎葉の密度が低下したり、葉の色が悪化したりした場合は、肥料を多めに散布することで、回復させます。年間標準施肥量の1/3~半分程度を1回で散布します(窒素量8%の肥料の場合: コウライシバ 70~100g/㎡/回、TM9 35~50g/㎡/回)。
肥料散布の1~2か月後に、回復が不十分であれば、追加で肥料を散布します。
固形肥料の散布後は、十分に散水し、肥料成分を溶かします。肥料散布後に降雨や散水が不足している場合、地表付近が肥料過剰の状態になり、乾燥害と同様のダメージが発生する場合があります。
肥料の量と芝の状態の関係については、こちら(詳細栽培マニュアル 施肥量と芝の状態)をご参照ください。 -
散水
植物が肥料成分を吸収するためには、土壌に適度な水分があることが必要です。肥料成分は、水と一緒に吸収されるため、土壌が乾燥している場合は、肥料成分の吸収も遅くなります。降雨が少ない時期は、土壌が完全に乾燥する前に、十分な量を与えます。頻繁に少量ずつを散水するより、低い頻度でたっぷり散水します。面積が広い場合は、スプリンクラーの利用が便利です。回転式のスプリンクラーや、散水範囲が長方形になる首振り式のスプリンクラーがあります。
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除草(手取りがお勧め)
芝生の密度が低下し、地面が露出することで、雑草が増加することがあります。芝生用の除草剤は、弱っている芝生にもダメージあるため、注意が必要です。手取り除草が最も安全な方法です。
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利用頻度が高い場合
芝生広場、キャンプ場、ドッグランなどで利用頻度が高く、芝生が傷みやすいことが予想される場合には、施肥量や散水量を増やし、茎葉や匍匐茎の密度を増加させることで、ダメージからの回復が早くなります。冬季に地下の匍匐茎までが消失すると、春の回復が難しくなるため、使用頻度が高いエリアについては、冬季に目土などで保護することが有効です。

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ゴルフ場レベルを目指す場合
ゴルフ場レベルの緻密な芝生を目指す場合は、常に新しい茎葉で更新されるように、育てる管理を行います。古い茎葉が蓄積しやすくなるため、サッチング・目土の散布は必要です。通気性を確保するためエアレーションも実施します。
3維持する管理の内容
芝生の状態が目標のレベルになっている場合は、葉色や密度が維持できる程度の管理を行います。土壌の状態(保肥力が高い/有機物が多い)が良ければ、標準量以下の肥料散布で維持できる場合があります。密度や葉色が悪化した場合は、施肥量を増やします。
緑地帯や庭などで、芝生の使用頻度が低い場合、踏圧などによるダメージがないため、最低限の管理で対応できます。芝生の状態が安定していれば、芝生用の除草剤を使用しても問題ないことが多いようです。詳細については、こちら(芝生の簡単管理・手入れのコツ)をご参照ください。
4まとめ
芝生の調子が悪い場合は、育てる管理を行い、目標レベルになったら、維持する管理に移行することで、管理を省力化できます。
TM9については、施肥量を削減しても一定レベルの芝生を維持することができます。

