3. 組織の整備、体制充実の歴史

トヨタは、1937年(昭和12年)会社設立時に、監査改良部を設置。この監査改良部はトップに直結したスタッフとして、豊田喜一郎の思想を監査改良規定に盛り込み、文字通り、製品と業務の運営を監査し、これらの改善にたゆまぬ努力をしてきた。

この監査改良業務は、現在の品質保証部に至るまでの75年間の歴史の中で一貫して受け継がれている。

機能概念図

機能概念図(当時)

(1)会議体、委員会の変遷

監査改良委員会・監査改良会議

監査改良に関わる全社的な会議体として、戦時中の1943年(昭和18年)社長を委員長とする「監査改良委員会」が組織された。この委員会は、1966年に「監査改良会議」と名を改めて今日に至っている。現在は、「品質機能会議」の下部会議体として品質保証体制・政策の審議・決定などを行う場としている。

品質機能会議

1965年(昭和40年)機能別管理の概念が確立され、「品質機能会議」を設置して、当社の「品質」に関する最上位の会議体とした。議長は品質保証を統括する役員、委員は社内関係組織の役員により構成され、品質機能に関する方針・政策・重要課題についての審議・決定を行っている。

(2)現在の組織と役割

機能別管理の考え方に見られる通り、品質保証はオールトヨタの各部署がそれぞれの役割を果たすことで、最終的にお客様に満足頂ける商品をお届けすることに繋がる。それぞれの部署では、会社方針の「品質」や品質機能方針、品質機能会議の決定事項などを踏まえて各部署の方針や目標を定め活動を推進している。なお、技術、生産などの各分野内では、品質機能を担う専門部署を設け、品質保証本部と連携しながら品質保証活動を牽引している場合もある。

一方、品質保証本部は会社創立時の「監査改良部」をルーツとして各部署と連携を取りながら「お客様第一」「品質第一」の全社の牽引役としての活動を進めている。

(3)グローバル品質特別委員会

2009年(平成21年)8月、米国カリフォルニア州で当社レクサスの高速道路死亡事故に端を発した品質問題の対応策の一つとして、翌年3月に第1回グローバル品質特別委員会が開催された。審議項目は、1.リコールなどの市場処理の意思決定、2.情報収集の強化、3.タイムリー・的確な情報開示、4.製品のさらなる安全性と安心の向上、5.人材育成であった。

グローバル品質特別委員会の構成イメージ図

グローバル品質特別委員会の構成、各地域のCQOチーム(2010年3月当時)