TQM(Total Quality Management)

変遷(含 創意くふう)

トヨタでは、創業以来の「お客様第一」「品質第一」の考えのもと、1949年(昭和24年)のSQC導入、1965年のデミング賞実施賞受賞、1970年の日本品質管理賞受賞を経て現在に至るまで、「お客様第一」「絶え間無い改善」「全員参加」を不変の基本的考え方として地道にTQMを推進してきた。

また、1951年に創意工夫提案活動(現 創意くふう提案制度)を発足して以来、その提案件数は伸び続け、モノづくりを取り巻く環境への柔軟な対応を推奨する制度として、会社の発展に大きく寄与してきた。

その結果、TQMや問題解決の基本的な考え方、創意くふうによる絶え間ない改善が社内に浸透・定着しており、多くの職場と階層で、品質、仕事の質の向上および人と組織の活力向上に貢献している。

西暦
和暦
主な取組み

創意くふう提案制度関連
1949
昭和24

SQCの導入


1951
昭和26


5
創意工夫委員会発足(委員長常務取締役 斎藤尚一)
―創意工夫提案制度は常務取締役豊田英二(現 最高顧問)、常務取締役斎藤尚一(元 会長)がフォード社の提案制度を参考に発案


6
第1回創意工夫提案募集を実施
1952
昭和27


12
個人年度表彰制度発足
1953
昭和28


2
会社代表標語を募集、3月に「よい品 よい考」を採用
1955
昭和30


6
会社統一テーマで初の特別募集を実施(テーマ「吸い殻入れについて」)


7
第1回事例展示会を実施
―1954年12月~1955年5月までに審査された1,000円以上提案を展示
1956
昭和31


4
「創意工夫」を「創意くふう」に改称
1958
昭和33


7
第1回オールトヨタ創意くふう懇談会開催(1964年6月に全豊田提案制度研究会に改称)
1960
昭和35
11
第1回品質月間行事を実施
4
第1回科学技術庁長官賞受賞(職域における創意工夫功労者として3名が受賞)


10
第1回品質月間特別募集を実施
1961
昭和36
6
TQCの導入
6
創意くふう提案制度10周年記念行事を実施(論文・習字ポスター標語を募集)
1962
昭和37
11
QCミーティング(QCサークルの前身)活動発足


1963
昭和38
1
会社方針を公布


11
SQC研修会の実施


1964
昭和39
9
品質保証・原価管理を中心とした機能別管理体制の確立
6
創意くふう提案制度の手引きを全従業員に配布
1965
昭和40
11
デミング賞実施賞受賞


1966
昭和41
1
「オールトヨタで品質保証」を全社スローガンに設定


2
仕入れ先にTQCの導入・普及(トヨタグループ8社QC連絡会設置)


11
第1回オールトヨタ品質管理大会を開催


1967
昭和42


5
創意くふうのシンボルマークを募集し、制定

シンボルマーク(1967年制定)※Good Ideaを図案化したもの

1968
昭和43
11
不良撲滅運動の開始


1969
昭和44
9
トヨタ品質管理賞を創設


1970
昭和45
11
第1回日本品質管理賞受賞


1971
昭和46



創意くふう提案制度20周年記念行事を実施
1972
昭和47


1
職場年度表彰制度発足(1人当たり提案件数、1人当たり獲得賞金の部で各1部署を表彰)


11
個人年度表彰制度の変更(金銀銅賞を創設)
1974
昭和49


5
提案件数、累計100万件突破


6
年度表彰受賞者の親睦サークルとしてトヨタG.I(グッドアイデア)クラブが発足
1975
昭和50
10
自主的運営のQCサークル活動推進


1977
昭和52
12
QCサークル表彰アドバイザー表彰の実施


1979
昭和54

管理能力プログラムの推進


1980
昭和55
11
豊田章一郎副社長(現 名誉会長)デミング賞本賞受賞



QCサークルトヨタ賞の新設


1981
昭和56

販売店にTQCの導入・普及
6
提案件数累計500万件突破
―記念行事を30周年行事と合わせて実施

業務の画期的効率化の推進


1982
昭和57


12
全社提案件数の目標設定を廃止
1983
昭和58
2
TQC推進室の発足


4
トヨタ販売店QC推進賞の創設


6
役員のQC研修の実施
6
トヨタグループ創意くふう提案事務局交流会復活(旧 オールトヨタ創意くふう懇談会、全豊田提案制度研究会)
1984
昭和59
2
第1回トヨタ販売店QC全国大会の開催
4
提案件数累計1,000万件突破
1985
昭和60

改善サークル活動の推進
1
創意くふう審査基準の見直し(審査採点基準の一本化、家族表彰基準の見直し、評価尺度の明確化)
1986
昭和61


11
OCR導入による創意くふう提案事務処理の電算化
1987
昭和62
10
第1回海外生産会社QCサークル交流会を開催


1988
昭和63
1
「SQCルネサンス活動」を開始


7
「みんなのQCサークル」発刊


8
全社向けの「TQCニュース」第1号発刊





提案件数累計2,000万件突破
―2,000万件達成記念行事実施(テレホンカード抽選配布、創意くふう推進者表彰、創意くふう旗制作)
1989
平成元


7
第1回創意くふうインストラクター研修会実施
1991
平成3


6
創意くふう提案制度40周年記念行事を実施(創意くふう手引き発行、標語・ポスター募集、VTR制作)
1993
平成5
1
一人ひとりが主役のNew QCサークル活動の展開


1994
平成6
3
新任役員向けのトヨタグループ役員TQM講座の創設


11
オールトヨタ品質管理大会でTQM導入宣言


1995
平成7
4
サイエンスSQC活動の開始
8
提案件数累計3,000万件突破
1996
平成8
3
部次課長を対象としたマネジメント能力向上プログラムの全社展開


1998
平成10


6
Yokoten活動を推進
1999
平成11
9
全社の職場マネジメントに役立つ職場マネジメント支援シリーズ(冊子)の創刊
9
先取り改善を導入
2000
平成12
3
QCサークルのグローバル展開と定着化促進(モデル:南アフリカ、インド)


4
職場マネジメントの質向上をねらいとしたMASTを導入


10
社内・仕入先を対象とした適切な管理図活用の再認識活動の展開
10
環境改善の採点基準採用
2001
平成13


6
創意くふう提案制度発足50周年記念行事を実施
―記念大会、イベントの実施、50年誌の発行、VTR「創造は限りなく」制作
2002
平成14

MASTの職場概要作成を通じて職場使命などの共有化の全社展開


2003
平成15
2
トヨタグループで実施の12社TQM連絡会を豊田通商(株)、(株)豊田中央研究所の加入をふまえた「トヨタグループTQM連絡会」と改称
4
表彰制度の改定(特別優秀賞、エメラルド賞、ルーキー賞の設定)
12
社内仕入先を対象とした品質の基本的知識教育プログラムの立上げ



QCサークルのレベル把握法の開発とトヨタグループ内への展開


2004
平成16
2
G-QCサークル活動の展開


4
全社コンプライアンス定着活動の一つの柱としてMASTを展開


2005
平成17


5
業務職の参加率上位職場表彰新設


7
文部科学大臣賞推進3カ年計画スタート
11
オールトヨタTQM大会をグローバルトヨタTQM大会に改称するとともに、海外事業体トップの招聘開始


2007
平成19
1
BR自工程完結推進室の発足


11
第20回グローバルQCサークルコンベンションの記念大会で2015ビジョンを発表


2008
平成20


5
業務職の参加率上位職場表彰を廃止、業務職優秀提案者賞を新設


6
創意くふうガイドラインを制定
8
G-QCサークルガイドライン制定
11
創意くふう提案実績集計システム稼働開始


12
審査基準の見直し
―社外改善・提案評価範囲の当社出資比率に応じた拡大―優秀提案以上は業務、それ以外の提案書記入は自主活動であることの再徹底

自工程完結の海外への展開開始



プロセス改善用ソフトであるT-PKナビの開発



「Qの確保」をテーマに品質管理学会との産学連携活動向上推進



トヨタグループSQC研究会冊子「課題解決力を向上するSQC」が日科技連クオリティマネジメント賞を受賞


2009
平成21
1

TQM推進部の組織改正
―BR自工程完結推進室、生技管理部創意くふうグループの編入・再編

1
創意くふう全社事務局が生技管理部からTQM推進部に移管
4
自工程完結を軸としたTQM活動の展開を強化、自工程完結研修の実施
4
初めて制定された「文部科学大臣賞、受賞数日本一」を受賞


7
年度表彰制度の見直し
―敢闘賞収益貢献職場賞などの設定
2010
平成22
10
自工程完結の取組みが日科技連日本品質奨励賞品質革新賞を受賞



技術分野における、信頼性・安全性に強い人材育成を目指した研修・浸透活動の強化


2011
平成23


4
創意くふう提案制度60周年記念行事を実施
―業務職対象のワークショップ、事例展示など


8
提案件数累計4,000万件突破