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メタリックベル塗装機

メタリック塗装を高塗着効率で行うことを可能にした塗装機。メタリック感を出すためには塗着効率の劣るエア霧化静電ガンでの塗装が必要であったが、豊田中央研究所(株)と共同研究を行い、回転式静電霧化塗装機でも塗料粒子の速度をエア霧化塗装機並みに上げればメタリック感を出せることを解明した。1990年(平成2年)にこの塗装機を世界で初めてライン導入し、塗着効率を向上させた。

ロボットによるアームトラッキング塗装

ロボットを使用した塗装システム。従来のレシプロ塗装機では、オーバースプレーによる塗料の無駄や、手吹き補正塗りの必要な部位が多いなどの理由で、塗着効率向上には限界があった。1994年(平成6年)からアーム型ロボットに塗装機を持たせ、コンベア上を進むボデーに対して追従(トラッキング)再生させることで、ボデーとの相対的な塗装条件を一定に保つことを可能とした。どの部位でも塗装が可能となり、総合的な塗着効率は向上した。

水性塗装用カートリッジベル塗装システム

水性塗料を直接印加可能な静電塗装システム。従来、水性塗料を静電塗装するためには、導電性の高い水性塗料から電流が漏れるのを防ぐため、塗装機および塗料配管を電気的に絶縁する必要があった。これを回避するために塗料を充填したカートリッジを塗装機に装着し、絶縁性の液体で塗料を押し出して塗装するカートリッジ方式を開発し、2001年(平成13年)に欧州TMMFに導入した。水性塗料でも溶剤塗料並みの塗着効率を達成した。

3ウェット塗装

中塗り乾燥炉を廃止することにより工程のスリム化を図った塗装工程。従来工程では、中塗り・上塗り塗装後にそれぞれ乾燥炉を設置しているが、3ウェット塗装では中塗り・上塗りメタリックベース・上塗りクリアを塗り重ねた3層の塗膜(3ウェット)を一度に乾燥炉で硬化させる。3ウェット塗装では各塗膜層の混層が発生しやすいなどの理由により品質低下を招きやすいが、塗料・塗装条件の最適化を行い、従来と同等の仕上がり品質を確保した。

防錆良品条件

60項目からなる防錆品質に関係した製造管理要件。北米で発生した錆問題の再発防止、各工場間での管理項目・管理幅のばらつき統一化による品質向上を目的とし、2009年(平成21年)に国内外内製工場、ボデーメーカー、関係仕入先に展開された。また、これら管理要件の継続管理を可能とするトレーサビリティーシステムも開発し、全世界の工程管理状態の把握が可能になった。

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