4.グローバル化への対応

トヨタは1990年代に入って本格的なグローバル化の時代を迎えた。マネジメントシステムのグローバル化が進行し、基本的な考えとして、執行組織の大幅な現地事業体への権限委譲と、それを安心して行うための中央(TMC)での集中管理の最適調和を図る必要性が生じてきた。この場合の集中管理項目を、経営哲学、ヒト(幹部人事)、モノ(商品・工場)、カネ(投資・リターン)とした。そして1999年(平成11年)以降、グローバルな人材育成と最適配置の実践を通じた人材競争力の強化というコンセプトでGLOBAL21(Global Leaders through Opportunities of Broader Assignment and Learning for 21st century)プログラムを段階的に立ち上げた。

トヨタウェイを共有し、グローバルトヨタの事業展開を担う人材を確実かつ継続的に輩出すべく、グローバルトヨタの人材育成の総本山として、2002年(平成14年)に、トヨタインスティテュートが設立された。トヨタインスティテュートでは、教育プログラムを「グローバルコンテンツ」として体系化し、海外事業体に展開するとともに、グローバルトヨタ経営人材の育成を目指し、「EDP(Executive Development Program)」「LDP(Ledership Development Program)」などの経営人材育成プログラムを実施している。