2.「自働化」と「ジャスト・イン・タイム」のルーツ

豊田佐吉の「自働化」の考え

豊田佐吉は動力織機の開発過程で、よこ糸やたて糸が切れた場合、機械が直ちに止まり、不良品をつくり続けない機構を組み込んだ。この発想が、トヨタ生産方式で自働化といわれる、「異常が発生したら、機械やラインが直ちに停止する」という考え方のもとである。

豊田式汽力織機(1896年開発)

豊田式汽力織機(1896年開発)

豊田喜一郎の「ジャスト・イン・タイム」の考え

豊田喜一郎は、1927年(昭和2年)に完成した月産能力300台の織機工場の組立ラインに、チェーンコンベアを用いた流れ作業を導入した。さらにその経験を生かして、1938年(昭和13年)に完成させたトヨタ自動車の挙母(ころも)工場(現 トヨタ自動車本社工場)でも流れ作業を導入した。その工場において「ジャスト・イン・タイム」の考えを提唱し、各工程の同期化を目指した。

― 喜一郎の言葉 ―『設備の完全化と能力の向上に従って材料、部品、其の他一切の関係品も亦有機連絡下に統一せられ、所謂「ジャスト・イン・タイム」(Just-in-time)に各施設も進められていく譯であります』 ~1938年(昭和13年)11月号『流線型』の巻頭言「挙母工場の完成に際して」から~

挙母工場ボデーライン(1938年稼働開始)

挙母工場ボデーライン(1938年稼働開始)

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