第1節 日本の自動車市場

第2項 フォード社、ゼネラルモーターズ社の組立生産

日本での自動車需要の急増を受けて、フォード社は1924(大正13)年12月に日本フォード(横浜、資本金400万円)を設立し、翌25年3月から組立生産を開始した。また、ゼネラルモーターズ(GM)社も日本GM(大阪、資本金800万円)を設立し、1927(昭和2)年4月から組立生産を始めた。

豊田喜一郎の友人である小林秀雄は、当時の状況について「自動車工業及運輸」1のなかで、次のように述べている。喜一郎も、同様の認識を持っていたものと推察される。

フォード及ゼネラルモーターズ*両米国会社は、夫々日本フォード株式会社、日本ゼネラルモータース株式会社の名を以て横浜、大阪に広大な組立工場を設け、根強い2大勢力を形造って殆ど我国の自動車販路を独占している観がある。

*
原文では「ゼネラルモータース」、「日本ゼネラルモータース」と記載されている。

(中略)

昭和4年以降の輸入組立状況次の如くである。

昭和4年
5年
6年
7年
8年
9年
28,087輌
18,663
18,908
13,327
14,084
30,884

米国の2大製作会社が我が国土に強大な資本を投下して居ることは、国産自動車工業の将来に非常な重圧を加えて居ると云わねばならぬ。

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