第4節 中国地域への合弁進出

第2項 自動車生産の急増に対応

人材育成策の推進

トヨタの中国での生産プロジェクトは、1988(昭和63)年に契約した金杯汽車へのハイエースの技術援助から始まった。これを契機として、中国での人材育成や環境対策への協力、交通安全運動の展開など、自動車関連のさまざまな分野で交流や社会貢献活動を強化していった。

とりわけ、金杯汽車との提携を受け、1990(平成2)年に開設した中国豊田金杯技能工養成センターは、継続的な技能者の育成を通じて、中国の自動車産業の発展に寄与している。同センターは中国汽車工業総公司(現・中国汽車工業協会)の助言を得て、トヨタと金杯汽車が共同で、遼寧省瀋陽市の金杯汽車の工場敷地内に設けたものである。1991年に挙行された完工式にはトヨタから豊田章一郎社長が出席して開校を祝った。

中国豊田金杯技能工養成センターは、当初から政府による重点技能工校として指定を受け、中国国内で開催される技能オリンピックで優勝する生徒を多く輩出してきた。卒業生はトヨタの事業体のみならず、広く中国の自動車関連企業に就職している。トヨタは1989年から数年間ごとの支援プログラムを継続し、2009年から2011年にかけては第7次分として優秀教員や生徒の来日研修や奨学金枠の拡大などに取り組んだ。なお、同センターは、遼寧省から技術者養成の成果が認められ、2009年にトヨタ金杯技師学院と改称された。

このほか、人材育成への協力に関しては、1996~98年に天津大学や清華大学などへの研究助成金の寄付、自動車や環境関連の技術講座などを実施した。また2006年には、中西部地域の学生を支援するための奨学金制度として、宋慶齢基金会との共同により「トヨタ助学基金」を設立した。

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