第8節 ITとの融合、新エネルギーへの挑戦

第2項 エネルギー問題への対応

バイオテクノロジーへの挑戦

1990年代後半には石油資源の枯渇や地球温暖化対策の一つとして、バイオテクノロジーの研究開発にも着手した。1996(平成8)年に奥田碩社長が「21世紀の人口問題、食糧問題、環境問題に備えよ」との検討指示を出したことを受け、企業化の調査を行ったうえで、1998年1月に事業開発部内にバイオ・緑化事業室が設けられた。同室は、2001年1月にバイオ・緑化事業部として独立し、生分解性バイオプラスチック(ポリ乳酸)の研究を開始した。2002年には島津製作所からポリ乳酸の製造関連特許とノウハウを取得し、2004年に広瀬工場に年産1,000トン規模の実証プラントを完成させた。

この間、2003年5月には新型「ラウム」のスペアタイヤカバーやフロアマットに、自動車部品としては世界で初めてバイオプラスチックを採用した。2007年までの3カ年にわたる技術実証計画では、バイオプラスチックの事業化自体は時期尚早と判断されたが、部品への採用を拡大することとなった。バイオ・緑化事業は、プラスチックのみならず、花卉(かき)や植林などの分野でも推進されている。

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