休日シフトの実施

大震災は東京電力・福島第1原発の事故を契機とした原発の稼働停止などによる電力供給の制約をもたらした。政府は、7月から9月中下旬まで東京電力および東北電力管内の大規模工場やオフィスビルに対し、最大電力を前年夏に対し15%抑制する「電力使用制限令」を発動したのである。同制限令の発動は、第1次石油危機後の1974(昭和49)年以来、37年ぶりだった。

これを受け、自動車業界は不測の停電による混乱を回避するねらいから、夏季3カ月間(7~9月)の休日を土・日曜日から木・金曜日に変更して産業界の電力消費の平準化を図る休日シフトを、率先して導入した。使用制限令の対象地域から外れる地域に工場立地する自動車メーカーも、部品・資材産業への影響を考慮して一斉に休日シフトで足並みをそろえることとした。

休日シフトは、家庭内で休日が異なることや新たな保育施設の確保など自動車各社の従業員や家族、さらに多くの企業が同調して参画した部品・資材産業にも多大な負担を強いた。トヨタでは7月の日曜日に、稼働中の各工場を順次、豊田章男社長と労働組合の鶴岡光行執行委員長が訪問し、従業員の頑張りをねぎらうとともに、健康と安全に留意するよう呼びかけた。

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