第4節 世界各地で充実する海外事業

第3項 東南アジア・西アジア

西アジア

インドでは1981(昭和56)年に政府が国民車構想を打ち出してマルチ・ウドヨグ社を設立、同社は1982年に鈴木自動車工業(現・スズキ)との合弁になり、最大の乗用車メーカーに発展する。トヨタも乗用車での進出を検討したものの認可が下りず、トラック分野での参入が承認されたため、1983年に現地資本との合弁でDCMトヨタを設立、1985年からダイナの生産・販売に乗り出した。

この事業では5年目に1万5,000台の販売を計画したものの、販売網の未整備や高コストによって1991(平成3)年の3,700台をピークに伸び悩み、1997年には事業清算を余儀なくされた。この時期には自動車産業の外資参入も緩和され、トヨタは新たに同年10月に現地のキルロスカグループとの合弁会社、トヨタ・キルロスカ・モーター(TKM)を設立した。そして南部カルナタカ州バンガロール市近郊に工場を建設、1999年12月に多目的ミニバンのクオリスを生産開始し、乗用車市場に進出した。

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