第8節 ITとの融合、新エネルギーへの挑戦

第1項 プリウスの開発とハイブリッド戦略

ハイブリッドを環境対応の基本に

「環境の世紀」とも呼ばれる21世紀のスタートを前に、トヨタは世界初の量産ハイブリッド乗用車「プリウス」を世に送り出した。プリウスは、1997(平成9)年12月に発売され、自動車の環境対応技術で新たな時代を切り拓いた。

トヨタでは、ハイブリッドシステムを21世紀の環境技術のキーテクノロジーと位置づけ、燃料電池自動車(FCV)などに応用する方針を打ち出している。ただし、当面は動力源の主流を担う既存のガソリンおよびディーゼルエンジンについても、燃費向上と排出ガスクリーン化の両面から、技術開発に全力をあげることとした。

2000年代に入ってからは、世界の各地域に適した環境車をタイムリーに供給することを目標に掲げ、「適時・適地・適車」という考え方を基本に据えた。

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