TMMK、TMMCの設備拡張

北米での現地生産は、1980年代後半から合弁会社のニュー・ユナイテッド・モーター・ マニュファクチャリング(NUMMI)、単独進出の生産拠点であるトヨタ・モーター・マニュファクチャリング・ケンタッキー(TMMK)、トヨタ・モーター・マニュファクチャリング・カナダ(TMMC)が順調に台数を伸ばしてきた。しかし、1990年代半ばになると、北米市場で旺盛な自動車需要が生じ、供給不足が懸念された。このため、トヨタではTMMKの工場を拡張し、1994(平成6)年からアバロン(カムリの派生モデル)の生産を開始した。そして1997年にはカムリのプラットフォーム(車台)をベースにしたミニバン「シエナ」の生産も始めていた。しかし、当時開発中の次期シエナの導入はラインの大幅な改造が必要となるため、シエナの生産はインディアナ州の新工場に移管することとし、TMMKは乗用車専用工場へと衣替えした。その後、TMMKはカムリベースの乗用車生産のさらなる強化を図り、2003年にはTMMCですでに生産していたソラーラ(カムリの派生モデル)を、2006年にはカムリ・ハイブリッドの生産を開始した。

TMMCでは、1994年にカローラ用エンジン工場の建設に着工し、1995年から1.6Lおよび1.8Lエンジンの組立を開始した。背景には、エンジンやトランスミッションなどを現地生産する際、その部品関税を撤廃するとのカナダ政府の方針発表があった。これと前後して、トヨタでは通商摩擦への対策として1995年に「新国際ビジネスプラン」を策定し、この計画に沿って同年にTMMCで新工場(北工場)の建設を開始した。同工場は1997年に開所し、モデルチェンジしたカローラの生産にあたった。また、既存工場では設備を刷新し、新モデルであるソラーラの生産を行った。その結果、北米向けカローラセダンの生産は、NUMMIとTMMCに集約されることになった。

その後、TMMCでは2003年にレクサスブランドの初の海外生産として、SUVのレクサスRX330の生産を始めた。さらに、2005年にはTMMCの第2工場をオンタリオ州ウッドストックに建設することを発表し、SUV市場の拡大に対応するため2008年11月からRAV4の生産を開始した。

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