ボデーメーカーによる小型乗用車のボデー架装

サイドバルブ(SV)式のS型エンジンは、1946(昭和21)年11月に試作第1号が完成した。それを搭載したSA型乗用車の試作第1号車が誕生したのは、翌1947年1月である。また、S型エンジン搭載の小型トラックについては、1945年12月に設計が開始され、1947年4月にSB型トラックとして発売された。

戦後、乗用車の生産を禁じていたGHQ(連合国軍総司令部)は、このような乗用車開発の進展を考慮し、1947年6月に1,500cc以下の乗用車の生産を年間300台に限り許可した。

なお、自動車工業の統制は1949年10月まで、自動車の公定価格は1950年4月まで続いた。

SA型乗用車は、1947年10月から1952年にかけて215台が製造された。トヨタ自工は乗用車用シャシーを製作し、これにボデー・メーカーが製作したボデーを架装して、完成車に仕上げた。S型エンジンを搭載した小型乗用車のボデーは、以下の企業で製作・架装された実績がある。なお、( )内の車両型式は、架装メーカーが設定した型式名である。

荒川鈑金工業1で最初に製作した車種は、1947年5月からのSA型乗用車試作車3台である。その後、SB型改造乗用車(SB-A型)2、SD型、SF型乗用車のボデーを架装した。

関東電気自動車製造3では、1948年12月からSB型改造乗用車(SBPセダン)4の製作を開始した。のちに、SD型、SFK型、SHK型(RHK型)、ST10型初代トヨペット・コロナといった乗用車のボデーに加え、ST16Vトヨペット・コロナライン・ライトバンのボデー架装を行った。

中日本重工業名古屋製作所5では、1952年2月からSFN型乗用車ボデーの製作・架装を始めた。その後、SHN型(RHN型)乗用車ボデーの製作・架装も行ったが、1954年7月にトヨタ車のボデー業務を終了した。

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