第6節 新たな成長を目指して

第4項 新しい歴史に向けて

FUN TO DRIVE, AGAIN.

東日本大震災からの復旧が進み、世界で挽回生産が始まっていた2011(平成23)年10月、日本では新たな企業広告キャンペーン「FUN TO DRIVE, AGAIN.」を開始した。「日本人の気持ちをもう一度ドライブさせたい」「もう一度新しいクルマの楽しさを創造させたい」という想いを込めたのである。トヨタは1984年から1987年にかけて企業スローガンに「FUN TO DRIVE」を使っており、それに「AGAIN」をつけて新たなスローガンとし、クルマ本来の楽しさに加え、「つながる」や「未来のクルマ社会」も含めた新しい時代の「クルマの楽しさ」をお届けしていくというトヨタの決意を表した。

同時に「生まれ変わり」を意味する「ReBORN」をキーワードに、テレビCMでは現代の日本に生まれ変わった戦国武将が東北など全国をドライブで旅するシリーズや、若者にも車の楽しさに気づいてもらうための実写版「ドラえもん」シリーズなどを展開している。2011年12月に一般公開された東京モーターショーのトヨタブースでは、ドラえもんの世界をモチーフにした会場づくりを行い、家族連れ来場者などから好評を得た。

同年11月には米国のネバダ州ラスベガスで、3日間にわたり「第7回世界大会」を開催した。世界大会は1984年から、ほぼ4年ごとに開いてきたが、この大会は初の海外開催となった。世界約150カ国から約300の販売代理店、製造事業体、金融会社などの代表者約1,100人が参加し、新型車や環境対応車の試乗、先進安全技術の体験などを行うとともに、今後の取り組みをグローバルトヨタで共有した。大会の席上、豊田章男社長は「私の考える成長とは、『社会の変化にあわせて自らも変化し続ける』こと。それによって持続的な成長が可能になると考える。そして、トヨタが持続的に成長できるかどうかは、各地域のお客様に『もっといいクルマを提供し続けられるかどうか』にかかっている。これからも、世界中のお客様から笑顔をいただけるよう、世界のトヨタの仲間たちが一丸となって努力しよう」と訴えた。

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