部品メーカー4社を合弁で設立

1994(平成6)年に中国政府が発表した「自動車工業産業政策」は、1992年の自動車メーカー再編策「3大3小2微」を踏襲し、部品産業を含む基幹産業として自動車産業の育成を目指すものであった。同時に、外資が合弁企業を設立できる中国側パートナーは、「2社以上認めない」という厳しい外資参入制限が設けられた。いわゆる「2枚カード」と呼ばれた制度である。

当時、トヨタが提携できる中国企業は、グループ企業のダイハツ工業が技術提携していた天津汽車に限られていたこと、そして中国政府から自動車部品産業強化の方針が示されたことを受け、トヨタは1995年に中国国産化技術支援センター(現・TTCC)を天津市に開設した。これを機に、同年から1997年にかけて主要ユニットや部品を手がける合弁企業4社を相次いで設立した。

その4社は、アクスル(車軸)やデフを製造する天津豊津汽車伝動部件(TFAP、1995年設立)、エンジン製造の天津トヨタ自動車発動機(現・天津一汽トヨタエンジン・TFTE、1996年設立)、鍛造部品製造の天津トヨタ鍛造部品(TTFC、1997年設立)、プロペラシャフトなどを製造する天津津豊汽車底盤部件(TJAC、1997年設立)である。天津地区で部品産業の育成に努めるトヨタの取り組みは、のちの天津汽車との乗用車合弁プロジェクトへと結実していった。

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