第1節 北米市場でのプレゼンスの高まり

第4項 現地化の進展

北米での社会貢献活動

トヨタは、北米での現地生産を積極的に進めるなかで、「よき企業市民」を目指し、社会貢献活動にも積極的に取り組んできた。

教育分野では、1987(昭和62)年に米国トヨタ(TMS)の設立30周年を記念して設立したアメリカトヨタ財団が、米国の小中高等学校における科学教育を支援している。例えば、2006(平成18)年には20件の活動に対して、約600万ドルの支援を行った。また、2007年にはTMS創立50周年記念事業の一環として、同財団から環境教育・環境保全にかかわる人材育成プログラムに500万ドルを寄付した。

一方、1991年からは「全米家庭教育支援センター」のさまざまなプログラムに対して支援活動を行っている。同センターは、貧困家庭の親子に読み書きなどの教育機会を無償で提供するNPOである。さらに、小学校の環境教育や植林活動を行うNPOの「Grow Your Own Tree」プログラムへの支援も、2001年から開始した。

こうした社会貢献活動とやや内容は異なるが、北米で1990年代にトヨタ生産方式(TPS)への関心が高まったこともあり、トヨタ・モーター・コーポレート・サービス・オブ・ノース・アメリカ(TMCS)内の生産調査部門トヨタ・サプライヤー・サポート・センター(TSSC)は、トヨタの関連事業体に限らず、広く北米の企業・団体にTPSのノウハウを開示・指導し、社会貢献活動の一環とした。

また、地域に根ざしたモータースポーツ活動として、2004年に米国で人気の高いレース「NASCAR」への参戦を果たした。同レースでは、2006年にタンドラでトラックシリーズのメイクスとドライバーのダブルタイトルを獲得し、2007年からはカムリでカップシリーズにフル参戦している。

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