第4節 中国地域への合弁進出

第2項 自動車生産の急増に対応

物流網の構築

2000(平成12)年以降の合弁生産プロジェクトの本格化や、中国市場の急成長に対応して、トヨタ車の生産台数は急激に拡大した。それに伴い、物流面での課題が浮き彫りとなった。一汽トヨタ系、広汽トヨタ系がそれぞれ個別に物流を行ってきたため、効率の低下や高コスト体質、長いリードタイムなどへの対応が求められるようになったのである。

そこで、第一汽車、広州汽車、トヨタの3社共同出資により、2007年に同方環球(天津)物流有限公司(TFGL)を設立した。一元管理による効率的な共同物流体制を実現するため、トヨタの生産物流方式をベースに、第一汽車と広州汽車の中国での物流ノウハウを取り入れ、現地の実情に適合した先進的な物流方式の構築を目指した。

また、中国政府は、自動車市場の急速な拡大への対応や外資開放策の一環として、2003年に「自動車金融会社管理弁法」を発表した。これを受けてトヨタでは、同年12月に自動車金融会社設立の認可を得て、トヨタ自動車金融(中国)を北京に設立した。同社は、自動車販売金融や認定ディーラーへの在庫融資業務を担っている。

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