第6節 国内市場での開発・販売強化
第2項 新ジャンル・ブランドへの挑戦
魅力ある販売店・ブランドづくり
バーチャル・ベンチャー・カンパニー(VVC)の活動と並行して、販売網の見直しも進められ、1998(平成10)年8月には新CIの導入に伴い、トヨタオート店を「ネッツ(Netz)店」に改称した。革新的な乗用車の投入により、若者や女性層への積極的アプローチを図るとともに、営業の主体を訪問販売から店頭販売へと転換する役割も担った。このため、店舗設計を根本から見直したほか、休日・夜間での営業時間の拡大、試乗車の充実など、店舗づくりや販売方法でも新たな手法に挑戦した。
1997年には個性あるカーライフを楽しんでもらおうと、部品・用品によるカスタマイズ専門の新業態として、トヨタモデリスタを立ち上げた。東京、福岡、神戸に3法人を設立し、トヨタ本社の特販・特装車両部と連携して商品化を進めた。オリジナリティにあふれるパーツを、トヨタブランドならではの品質とリーズナブルな価格で提供する事業であった。その後、2002年には市場の拡大や販売エリアの広がりに対応して3社を合併し、新たにトヨタモデリスタインターナショナルを設立した。
海外でも、トヨタブランドへ若者を惹きつける施策に取り組んだ。その一環として、1999年1月にモータースポーツの最高峰F1への参戦を発表した。トヨタはエンジンだけでなく、シャシーも自社開発するワークスチームとして2002年から参戦し、デビュー戦ではいきなり6位入賞を果たした。
2000年にトヨタは富士スピードウェイ株式会社に経営参画することを決め、幅広いモータースポーツイベントの開催のみならず、実技による安全運転の普及を図る教育施設も併設した。