第7節 グローバリゼーションを支えた各機能

第5項 管理部門でのグローバル対応

経営体制のグローバル化

このように、21世紀初頭からトヨタの事業運営は、「グローバル」がキーワードとなり、多くの組織名称にグローバルが使用された。1997(平成9)年にはグローバルを冠する部相当の組織は皆無であったが、2007年になるとグローバル監査室、グローバル調達企画部など合計8部1室となった。

2003年6月には世界的な競争激化を背景に、経営体制の大きな改革を実行した。取締役数の大幅な削減と、執行役員に相当する常務役員制の新設である。取締役は専務以上とし、それまでの58人から27人へと半数以下に減員する一方、各部門のオペレーションを担当する常務役員を39人任命した。また、社外監査役を従来の2人から4人に増員し、監査機能の強化を図った。

このときの役員人事では、米国トヨタ(TMS)の執行副社長、トヨタ・モーター・マニュファクチャリング・ケンタッキー(TMMK)とトヨタ・モーター・マニュファクチャリング・UK(TMUK)の社長の3人が常務役員に起用され、外国人として初めてトヨタ本社の役員となった。人材のグローバル化へ新たな一歩を踏み出したのである。

新経営体制では、意思決定階層のフラット化も重視し、部門のオペレーションは、担当の専務以下で完結させる仕組みを導入した。すなわち、専務は全社的な観点で経営に参画しながら、担当するオペレーションの現場に根ざした意思決定をスピード感をもって実行するという体制に改革された。

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