第3節 国内市場の急伸長とレクサスの開発

第2項 「お客様第一」の再徹底

中古車事業とリース事業

この時期、販売店の中古車事業は停滞していた。新車販売の急増や中古車専業者・買取事業者の台頭によって新車販売時の下取り比率が大きく低下し、仕入や小売が細ってきたのである。これに対して販売店では、中古車拠点のリフレッシュ、小売・卸売部門の分離、女性ユーザーの増加に対応した女性スタッフの拡大などに取り組んだ。また、トヨタでも1988(昭和63)年7月にオールトヨタ初の「中古車統一商品」販売イベントを企画するなど販売店と一体となって中古車市場の活性化を推進した。

1989(平成元)年には新車の特別保証期間を「5年間または10万km」へと延長したが、これに伴い1990年に中古車の「ロングラン保証」を改定した。乗用車については保証対象をトヨタ車全般に広げるとともに保証期間も延長し、トヨタ中古車の「安心・信頼」のイメージ定着化を図った。

トヨタレンタリースもリース市場の拡大といった転換期を迎えていたため、1986年には3カ年中期計画(1987~89年)を策定し、「高収益No.1グループの実現」を目標に掲げた。これに基づき、1987年には60拠点を開設して719店へとネットワークを拡充した。また、リースを含む総保有台数も同年7月には10万台を突破し、着実に事業拡大を進めた。

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