第6節 国内市場での開発・販売強化

第1項 国内自動車市場の構造変化

カローラの首位転落

カローラは1969(昭和44)年以来、33年間にわたり登録車市場で年間販売台数のトップを続けてきたが、2002(平成14)年になって連続記録が途絶え、「V34」を阻止されてしまった。2000年に「NCV(New Century Value)」シリーズとして投入された9代目カローラの前に立ち塞がったのは、2001年6月に本田技研工業が発売したフィットである。フィットは実質半年の販売期間しかない同年に、10万4,000台を販売するヒットを記録していた。

トヨタの国内営業部門とカローラ店はV34達成のためのキャンペーンを展開し、シリーズ全車のマイナーチェンジや、お買い得仕様車の設定、全面改良時を上回る広告などを行った。さらに、各販売店では、すべてのお客様を対象にした「総タッチ作戦」などによる来店機会の創出などに取り組んだ。

また取引先からは業務用車両の代替申し出が相次ぐなど、V34キャンペーンは、トヨタ、販売店、関連会社が一体となって取り組む活動となっていった。しかし、2002年のカローラの販売台数は22万6,000台にとどまり、フィットの販売台数25万台を上回ることができず、V記録は途絶えた。翌2003年にカローラはトップの座を奪還するが、カローラの首位転落はダウンサイジングという市場の構造変化を突きつける事象でもあった。

このページの先頭へ