第8節 ITとの融合、新エネルギーへの挑戦

第3項 ITSへの取り組み

カーテレマティクスサービスの発展

車両のインテリジェント化を推進するカーテレマティクス(車載情報通信システム)技術も、新たなステージに入った。トヨタでは、1997(平成9)年に専用端末やインターネットを通じて、各種の自動車関連情報を提供する「Gazoo」(現・GAZOO)を立ち上げるとともに、「MONET」の名称でカーテレマティクスサービスを開始した。MONETは、対応するナビゲーションと携帯電話などを接続し、情報を提供するサービスであった。

2002年10月にはMONETとGAZOOの技術を融合し、新たなカーテレマティクスサービス「G-BOOK」を開発した。その第1弾として、「WiLLサイファ(CYPHA)」にG-BOOK対応のカーナビと、デンソーおよびKDDIと共同開発した専用のデータ通信モジュール(DCM)を標準搭載した。同サービスには、駐車場やレジャー施設、天気予報などドライブ情報のほか、メールや掲示板、トラブル時のロードサービスといった機能を盛り込んだ。G-BOOKは、「走る・曲がる・止まる」というクルマの基本機能に「つながる」を加え、安全や快適さをもたらす新たなサービスとして訴求していった。

翌2003年からは対象車種を順次拡大し、適応するナビの種類も増やした。また、接続には携帯電話も利用できるようにするなど、利便性の向上を図り、普及を加速させていった。その後、2005年には通信速度を速めると同時に、事故や急病時に緊急通報をサポートするHELPNET機能などを追加した「G-BOOK ALPHA」のサービスを開始した。

一方、同年8月に導入したカーテレマティクス「G-Link」は、日本でのレクサスブランドの展開に合わせ、レクサス用に導入されたものである。お客様からの問い合わせなどに、オペレーターがワンストップで対応するサービスが高く評価されている。

さらに、2007年にはナビの地図を自動更新する「マップオンデマンド」やG-BOOK会員の走行情報を反映してより精度の高い交通情報を提供する機能などを採用した「G-BOOK mX」へと進化させた。2010年3月には、トヨタレンタリース店の法人のお客様向けに車両管理をサポートする「G-BOOK BIZ(トヨタレンタリース運転カイゼンサポート)」を発売した。G-BOOKについては、富士重工業とマツダとの提携に合意し、両社はそれぞれ2004年、2005年からサービスを開始した。

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