第3節 品質問題

第3項 新たな品質保証体制の構築

再出発の日から1年を迎えて

一連の信頼回復に向けた取り組みは、トヨタとその海外事業体のみならず販売店や仕入先と一体になった推進が不可欠であった。お客様からは多くの激励の言葉が寄せられ、トヨタとお客様との関係の大切さを再認識する機会となった。トヨタでは、さらなるお客様との信頼関係の強化に向けて、「お客様視点」を合言葉に取引先からの積極的な支援も受けながら、一歩ずつだが着実に前進していった。

2011(平成23)年2月24日、「トヨタ再出発の日」から1年を迎えたのを機に、各職場で「職場の心構え」が展開された。これは、2010年4月にグローバル会社方針とともに発表した「私たちの心構え」を、さらに職場単位に落とし込んだものである。

このことは、NHTSAとNASAが電子スロットルには意図せぬ加速に結びつく問題が見当たらないとの発表を行って間もなくであった。その後、2012年1月18日には米国科学アカデミーがトヨタの電子スロットルと意図せぬ加速について、これらの調査結果を裏付ける内容の調査結果を発表した。同アカデミーは、トヨタの電子スロットルに対する調査を終了したNHTSAの判断は妥当であったと結論づけた。

しかしながら、サンディエゴでの悲劇的な事故に端を発する一連の出来事により、「トヨタ再出発の日」が忘れられることは決してないだろう。

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