「トヨタスマートセンター」の開発

トヨタは、次世代環境車の市場投入と開発を強化するとともに、低炭素社会の実現に向け、自然エネルギーの積極導入や地域・家庭での効率的なエネルギー利用を目指すスマートグリッド(次世代送電網)へのアプローチも始めた。その取り組みの一環として、住宅・クルマ・電力供給事業者とそれを使う人をつないでエネルギー消費を統合的にコントロールするトヨタ独自のエネルギー管理システム「トヨタスマートセンター」を開発、2010(平成22)年10月に発表した。トヨタスマートセンターは、プラグイン・ハイブリッド車(PHV)やEV、住宅内のエネルギー利用を管理するHEMS(Home Energy Management System)を装備した先進のスマートハウスを活用し、それらが使用するエネルギーと、電力供給事業者からの電力、太陽光発電といった自家発電電力などによるエネルギーを合わせ、需要・供給全般を管理・調整するものである。同時に、居住者や車両使用者に情報を提供したり、外部からコントロールしたりすることができる。

また、2012年1月のプリウスPHV発売に合わせ、トヨタとトヨタメディアサービスは、家庭での充電をサポートする機器として「H2V Manager」を開発、同月にトヨタホームから販売開始した。家庭内のパソコンなどから、あるいは外出先でもスマートフォンからトヨタスマートセンターを通じて、PHVやEVの充電開始時間の設定・変更、家庭内の総電力消費量の確認などができ、効率的な充電や電力消費の管理をサポートする。

トヨタは2010年9月から日本風力開発などとともに青森県六ヶ所村で、2年間にわたる「スマートグリッド実証実験」にも着手した。スマートグリッドへの取り組みは、この六ヶ所村実証実験を皮切りに、豊田市、北九州市でも行われ、また海外においても米国やフランスなど、各国のプロジェクトなどに積極的に参画している。

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