第9節 量産量販に向けての準備

第6項 生産能力の増強、月産1万台を目指して

プレス工程

プレス工場でのライン化としては、1957(昭和32)年に6台の油圧プレス機を増設した際、ベルトコンベアによる搬送で各種の機械設備を連絡し、プレス成形の流れ作業を実現した。その結果、プレス部品の製作時間が短縮され、生産能力が増大するとともに、従来2カ月分必要であったプレス部品のストックが1カ月分に減少した。また、同年3~7月に油圧式プレス機4台、機械式プレス機3台の増設を行った。これにあわせて、プレス機へ鋼板を挿入するローラー・フィードや、プレス機から成形パネルを取り出すアイアン・ハンドなどを導入し、プレス成形作業の能率向上を図った。

1957年2月にはプレス型工場を新たに設けた。生産車種の増加に伴い、プレス型の種類が増加する一方、車両のモデル・チェンジに際して迅速な型製作が求められたことに対応した措置であった。高性能の倣い型彫盤、高精度プレーナーや精密中ぐり盤など、高度な型製作設備を導入し、型製作や型修理の効率化に努めた。

以上のように、月産1万台に向けて各生産分野で能力増強を推し進めた結果、元町工場完成直前の1959年6月には月産9,080台を記録した。

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