第5節 中南米・アフリカ・中近東地域
第2項 生産拠点の拡大
NAFTAの生産拠点として―メキシコ
トヨタでは、メキシコを北米地域での大きな成長が見込める重要市場として、また北米自由貿易協定(NAFTA)圏の生産事業で米国を補完する重要な生産拠点として位置づけてきた。2002(平成14)年にはメキシコ政府の認可を得て、バハ・カリフォルニア州ティファナ市近郊に、タコマ用デッキの製造会社トヨタ・モーター・マニュファクチャリング・バハ・カリフォルニア(TMMBC)を設立した。TMMBCは2004年9月にデッキの生産を開始し、米国のニュー・ユナイテッド・モーター・ マニュファクチャリング(NUMMI)へ供給するとともに、同年12月にはタコマの車両生産も始めた。米国市場ではタコマの販売が好調で、NUMMIの供給力不足を補完するため、TMMBC製のタコマはすべて米国に輸出された。
その後、2010年にNUMMIの合弁事業を解消すると、タコマはTMMBCとトヨタ・モーター・マニュファクチャリング・テキサス(TMMTX)の2工場での生産となった。同年のTMMBCでのタコマ生産は5万4,000台だった。