画像情報ネットワーク「GAZOO」

1990年代半ばに本格化したパソコンやインターネットの個人レベルでの普及は「IT革命」とも呼ばれた。ITを活用して直接お客様との間を結び、お客様満足度(CS)の向上や販売店の業務改善などを実現するサービスとして、1997(平成9)年10月には画像情報ネットワークシステム「Gazoo(ガズー)」(現・GAZOO)が稼働した。同システムは、まずトヨタオート室蘭(現・ネッツ苫小牧)で導入された。

GAZOOが誕生したきっかけは、1994年に第3車両部が生産調査部の協力を得て、トヨタ生産方式(TPS)を販売店の業務改善につなげる活動を始めたことにある。その成果を展開するため、1996年には国内企画部に業務改善支援室を新設し、ITを駆使した販売店の物流などとともに、新たなお客様サービスの創出に取り組んだ。当初のGAZOOは、新車情報をはじめ、車検や点検の見積もり、入庫予約、下取り価格情報などの機能を備え、店頭の端末からさまざまな情報が検索できた。1998年からは全国の販売店へ展開を始めるとともに、インターネット上にホームページを開設し、パソコンからの検索も可能にした。

その後、娯楽情報などコンテンツの充実を図る一方、1999年末にはネットショッピング機能として「GAZOO商店街」も加えた。翌2000年には業務改善支援室から機能分離したGAZOO事業部が発足し、専用端末の導入や、コンビニなど異業種との協業、さらにトヨタの金融子会社と連携した金融モールの開設など、サービス内容の充実を加速させた。GAZOOの開発で培ったノウハウは、車載情報通信システム「G-BOOK」の開発などにつながっていった。

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