「レクサス店」の開業

レクサスの導入にあたっては、2003(平成15)年4月にレクサス国内営業部を新設し、「最高の商品に加え、最高の人・店舗・サービスでお客様をおもてなしする」をコンセプトに設定した。販売網については、トヨタ販売店全社を対象に募集を実施する一方、新たな資本として2社の参加が決まった。店舗デザインはコンペを実施して統一基準を設け、専用の店舗設計システムを開発した。

また、サービスに関しては、独自のメンテナンスプログラムや24時間対応のセキュリティサービスなど、ITを融合させながら設定していった。「おもてなし」の成否を左右するスタッフの育成は、富士スピードウェイ内に開設した専用施設の「レクサスカレッジ」で、エンジニアを含む全スタッフに対し、きめ細かいカリキュラムに沿って研修を行っている。

レクサス店は、2005年8月に109社143店で営業を開始した。日本のレクサスは、国内でプレミアムブランドを確立するとともに、米国のレクサス部門と力を合わせてグローバルなブランドに育成する使命も担った。その蓄積されたノウハウは、世界でのレクサス展開に生かされている。

新「商品・流通政策」は、トヨタブランドのチャネル数縮小という厳しい決断を伴うものであった。しかし、この政策の遂行により、2006年にレクサスブランドを含むオールトヨタの国内シェアは、初めて45%を突破するという成果につながった。国内市場の構造変化にいち早く対応した改革は、商品開発の強化と相まって、その後も高いシェアレベルを維持する原動力となった。

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